講義録
平成28年12月26日 林芳正参議院委員長をお迎えしての講義
12月26日、林芳正先生をお迎えして特別講義を行っていただきました。現在国政にある国会議員の講義とあって、学部内外から100人以上の学生が会場を埋め尽くしました。
「漂流する世界・・・これからの日本の役割と求められる国際ビジョン」
と題して、1時間30分の講義をお願いいたしました。
暮れのお忙しい中、山口県にお帰りいただいて、この国をどう考えるか、熱い講義をしていただきました。
林先生が海外留学、海外勤務の経験から、世界の中の日本を意識され、誰が戦後の日本を支え繫栄させ、GDP世界第3位にさせたのかを考えた時、それは人材育成が土台となっていることに気づき、政治の道へ志すことのきっかけになられたそうです。国際総合科学部の皆さんは留学を控えておられるが、留学は外から日本を見直す良い機会であり、また海外の同じ年代の人がどんな考えを持っているかを知ることができるので、とっても良い経験になるとお話になりました。
【以下講義内容抜粋】
(国政について)
政治と民間の相違点は、政治は利益がはっきりしなくても国民の為、利益がなくとも予算をかけなければならないことがあります。民間と違う点は、利益がダイレクトに反映できないという特徴を持っています。しかし無駄な支出は最大限喰い止めることも必要であるので、慎重に審議することが重要になってきます。
現在世界の政局は大きく動き、右傾化の傾向にあります。いまアジアが世界の重要なポジションにあることは間違いなく、欧米に近いアジアという日本は非常に面白い局面にあると考えられます。
(福祉について)
日本は介護保険を持つ世界で唯一の国家であり、福祉先進国であります。現在は「どんな人がどんなプログラムを求めているか」を考え、限られた施設・人材を効率的に駆使していくことが大事なポイントとなります。また、海外からの人材を受け入れ、日本の最先端の介護技術をお教えし、世界規模の人材育成に努めることで、外国からの尊敬を集め、世界に貢献していくことが将来の日本の土台になると考えております。
(地方創成について)
現在日本は首都に人口が集中し、世界でも珍しい人口構成となっております。地方に人口を流動することで、少子化問題、待機児童問題、介護施設問題等、いま日本にとっての課題は解消できると思います。いま地方が元気になることが日本を支える力になると確信します。
山口大学の皆さんは、地方を支える力になって、この国の未来を創造していただきたいです。
その他、リーダー論、TPP問題等、多岐にわたって講義いただきました。
いま国政にいらっしゃる林先生のお話は、私にとっても興味深く、時間を忘れてしまいました。学生さんたちが今の日本の未来を真剣に考えていることが、目の輝きからもうかがえました。質問も相次ぎ、熱い思いが伝わってきました。
林芳正参議院議員、お忙しい中ありがとうございます。心よりお礼申し上げます。
そして国際総合科学部の実行委員の皆様、準備から開催までお疲れさまでした。素晴らしい特別講義でした。